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一昔前、ズボンの片一方の裾を捲くるのが
この国でえらい流行った。
アメリカのヒップホップから流れてきたファッションだ。


僕はあれをする日本人が大嫌いだった。


確かにおしゃれだ。
かっこいい。

みんながそういって真似をする。

理由なんていらない!かっこいいから!
だってそう感じたんだから、感じた事、それが全てさ!


それを見て、僕は幾らかうんざりする。



毎晩の銃声。
それを子守唄に眠るのが当たり前のスラム街。
今より幾らか昔のアメリカ。

当時のアメリカ、特にスラムには人種差別やらドラッグやらが溢れ返っていて、とても治安が悪かった。

銃の引き金を引くか、友達を薬漬けにするか。 
生き抜くためには小銭が必要だ。
さあ選べと二択。
それ以外に生き抜く方法はない。
少なくとも貧民街で生まれた「異人」には。
そんな時代。

その街ではスプーンを上手く扱える人間より、銃を上手く扱える人間の方が多かった。

銃声。
銃声。



ところで、ビートはどこからやってくるんだろう?


リズム、音、躍動。

それはどこからやってくる?


ああ。


ああそうだった。
鼓動。


銃で撃てば人は死ぬ。

わずか数ミリの鉄の塊の介入で止まるビート。



音、音、音。


歌詞をメモった手帳なんてとっくに破れて無くなった。

でもたいした問題じゃない。

言葉なら溢れてる。

生きること。

ああ。

音。




ビートを愛した男はズボンの片一方の裾をめくり上げる。
そこに忍ばせた一丁の拳銃。

深呼吸をする。

覚悟。

それをおもむろに掴み、川へ放り込む。


ああ、ほら。

聴こえた。

ビート。


平和の証。

僕は、あなたを攻撃する武器を持たない。

証明。

片足だけめくり上げられたズボン。

ビート。









だから僕は嫌いだ。

それを真似する人が。

それを「理由」も「事情」も知らずに、覚悟も無く真似る連中が。

だって彼らの銃口はいつだって誰かの額を向いてる。

だから、嫌いだ。
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