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結局ぐちぐち言い続けてるだけじゃ状況は変わらないし、それを分かってるのに自分はグチグチと不景気な事を言い過ぎてる。
ここいらで具体的な善処を試みるべきだ。

僕には昔から、女の子になりたい願望みたいなものがあって、別に「オネエ系」みたいなしゃべり方とか仕草をしたいっていうのとも少し違うんだけど、もっと女らしい生き物になりたいっていう漠然とした願望がある。

覚えてる限りでは、まだ幼稚園くらいだった頃、妹は小さいかわいいタオルケットに包まって寝てて、僕はといえば小さい頃から図体がでかかったから、大きいタオルケットでも足がはみ出してて、そのことでなぜかすごく妹に対して嫉妬心があった。

小学生くらいになると、与えられる漫画やなんかに不満を感じた。
少年漫画は僕が欲しがりもしなかったから、うちには妹に与えられる少女漫画だけがあって、僕はそれをいつも読んでた。
男の子に初恋をしたのも小学生の頃だった。

中学高校のくらいになって、自分の中に女の子みたいになりたい願望、女物の服を着たい願望がある事をわりとはっきり自覚するようになったけど、如何せん肌の病気やらなんやらでずっと「気持ち悪い」って同級生から言われてて、僕は自分を「気持ち悪い生き物だ」と思っていて、だから「気持ち悪い僕が女装なんかしたら、いよいよ終わりだ。完全にアウトだ。女装をしたい、女の子が男の子と恋愛をするみたいに、そういう恋愛をしたい、なんて思ってることがバレたらもう首吊るしかない」と思って、自分のそういう願望をとことん隠すようになった。

それから数年、二十歳過ぎるくらいまでは、田舎のヤンキーっぽい口調でしゃべるようになって、不良っぽい服を着るようになって、いわゆるチャラ男みたいな雰囲気を出すようになって、周りからもそう思われるような人間だった。
そうしないと周りに「こいつ女々しい奴だ」とバレるんじゃないかっていう、変な強迫観念みたいなものがあった。

そういう振る舞いを数年続けてるうちに、段々自分の感覚みたいなのが鈍っていって、こう、夢心地っていうか、自分はその夢の中ではもう生粋のチャラ男で、友達と駅前で女の子ナンパしたりしょっちゅうやってて、それが素の自分であるのかどうかも考えなくなってた。

そういう生活が、ふとこの何年か前に唐突に終わった。
理由は色々あった。
女ばっかりの職場だったから、あまりにドロドロしすぎてて疲れちゃったのもあるし、よくつるんでた男友達に彼女を取られちゃって、なんかもう女とか友達とかもどうでもよくなっちゃって、で、仕事もやめて、携帯も解約して、引き篭もりみたいになった。
引き篭もってるとさすがに生きていけないから、最低限の家賃と食費、光熱費を稼ぐために、高校の頃にもやってた新聞配達をはじめた。

朝刊だけを配って、後は暇。
だからネットでゲームをやるようになった。
なぜって、ネットゲームって基本無料でできるからだ。
で、そのゲームでは、最初に自分の使うキャラクターを男と女から選ぶ。

僕はなぜか、女を選んだ。
なにかこう、ものすごく、それに惹き付けられた。
女キャラの造形云々じゃなくて、自分がこれからゲームの世界に入り込むにあたって、女になり、女として扱われるっていう事に、だ。

実際にゲームを始めてみれば、案の定僕を女だと思い込んだ男の子が話しかけてきて、急速に親しくなった。

そうしてるうちに、昔の事をふと思い出した。
小さかった頃、妹に嫉妬してた事。
初恋の相手が男の子だった事。
中学高校の頃は女装をしたい願望があった事。

人にバレたくないという強迫的な観念から逃げる為に作り上げた男としての自分の人間像は、人目に晒されない生活を送るようになってすぐ、簡単に解壊して、跡には小さい頃確かにあったシンプルな願望だけが残った。

女になりたい、女になって男の人と恋愛したい。
女みたいに扱われたい。
女性的な振る舞いをしたい。

でももうその時点で僕はもう20代半ばになっていて、物心ついてからそれまでの期間をただの普通の男として生きてきて、自分を今更変えるのはとても困難だと思った。
親や数少ない友達も混乱するだろう。

なにより、これからもう老いてく一方だっていうのに、女になりたい願望なんてものを認めちゃったら、絶対辛くなる。
今はまだどうにか若者って呼ばれる領域にへばりついてるからいいけど、おっさんになるのなんてあっという間だ。
そのとき、絶対辛くなる。

それなら、このまま今まで作り上げてきた「男としての自分像」に頼って生きた方がいいんじゃないか。
幸いこういったゲイコミュニティを見つける事が出来て、今後も男として生きたって男の人と恋愛できる可能性も出来た。
なら、それで満足するべきじゃないか。
幸か不幸か、今まで通り男らしくしてたほうが、ゲイの輪の中でも人が寄って来る。
じゃあ女みたいになりたい願望は譲歩しちゃってもいいんじゃないか。

っていうのが、今までの僕の基本指針だった。

でもやっぱり、女みたいになりたい願望は消えない。
願望は消えないのに、いわゆる「オカマちゃん」みたいになる事も出来ない。
まずそうする事に抵抗があるし、どうしたらいいのかも分かんない。
背だって180ある。
180のオカマなんて色んな意味で厳しすぎる。
それでも、俺より悪い条件を全て蹴っ飛ばして、女の人みたいに生きてる人もたくさんいる。
そういう人たちって、すごくかっこいいと思う。
本当に、心から尊敬する。
僕はそこまで強くなれる自信がない。

女になりたい自分を認めちゃったら、どうあがいても納得できるレベルの「女性」には近づけない自分の資質に絶望する事になる。

金と時間を注ぎ込めば性転換だって整形だって出来る。
でも身長だけはどうやっても小さくならない。
女の子みたいになるには、180cmの身長は邪魔すぎる。

周りのノンケの男友達からは、180の身長や、男気ある振る舞いを買われてる節がある。
彼らが僕に対して評価する全部が、僕にとって邪魔なもだったり、真実ではない上っ面のハリボテだったりする。
でも彼らはもう10年近くずっと一緒につるんできた友達で、今更切る事も出来ないし、打ち明ける事も難しい。
もし僕が全ての真実を打ち明けたら、彼らがどれほどに戸惑うか、僕にはそれが分かる。
彼らは僕を否定しないだろうけど、でも関係はそれまでと絶対に変わる。
それが怖い。

そんな風にまごついてる間に、数年が経った。

なんだかもうひどく頭が混乱して、どうしたらいいか分かんなくなって、判断力も鈍りまくって、どうしようもない閉塞感だけがあって、2丁目で体を売ってみたりもした。
僕に声をかけてきたおじさんは、声をかけてきたその最初から、女の子に対してするみたいに優しく接してくれた。
だから売った。
現金9千円と3千円分の商品券で。
あと下着とせんべいもくれた。
だから売った。

馬鹿げた事をしたとも思うけど、ある部分では満たされた気持ちにもなった。
おじさんは女の子にするみたいに僕の全身を愛撫して、舐めた。
小さい頃あれだけ同級生から「気持ち悪い、怪物みたい」っていわれたこの肌を、だ。
僕のことをかわいいかわいいって何度も言ってくれた。
かわいいだなんて、セックスをする時、女の子に対して僕自身何度も言ってきた言葉だけど、アホくさい陳腐な言葉だといつも思ってた。
でもおじさんの腕の中で聞くその陳腐な言葉は、なぜか僕が口にしたものと別のものであるように思えた。

おじさんが僕の下腹部に腰を埋めながら涙を流してた。
君を抱いてるとなぜか切なくなるとか訳の分からない事を言って泣いてた。
陰鬱に曇った日だった。
去年の10月14日の事だ。

家に帰って新聞を配って、そのあと少し泣いた。
パソコンの前にある椅子の上にしゃがんで、女の子みたいにぐじゅぐじゅ泣いた。
確固たる理由なんて無くても、涙なんて勝手に出てくるものなのだ。
おじさんが流してた涙もいわばそういう類のアレだったのかもしれない。

10月の終わりごろに脈略も無く彼女が出来た。
ギターもって調布の駅を歩いてたらいきなり声をかけられた。
なんか心の病気の持ち主らしくて、彼女のお母さんも彼女への対応に疲れ果ててて、僕と付き合えればいくらか心が楽になるみたいな事を彼女が言い出したから、僕はその申し出を受諾した。
彼女のお母さんはそれ以降毎月僕にこっそり3万円くれる。

彼女の頭を撫でて、優しい言葉をかけてやるたびに、思う。
ほんとは自分も「こっち側」じゃなくて「そっち側」がいいって。
でも与えられた役割は「こっち側」で、それをする代わりに代金も貰ってるわけだから、僕は求められたものを提供する。
多分彼女のお母さんがお金を支払わなくなるか、もしくは彼女の病状がいくらか改善したら関係はあっけなく終わると思う。


そんな感じで今に至る。


頁をめくればきっとまた別の何かが起こる。
それを望む反面、恐れや諦めもある。

ひどい混乱が今も頭を支配していて、今後どうすればいいのか、うまく考える事が出来ない。

いっそ180センチのオカマにでもなって、威風堂々と2丁目の街角にでも立ってみれば、世界は変わるだろうか。
抜け出せるだろうか。
抜け出した先にある世界は、今僕がいる場所よりマシだろうか。
僕はその選択がもたらすであろう困難に耐えられるだろうか。
今までと違う生活を獲得するために捨てたものを後悔しないだろうか。

明るい考えと暗い考えが交互にやってきて、いつまで経っても答えが出ない。
ただ流れに身を任せるままに、やってくる明日をルーチンワークで昨日に塗り替えていく。
そんな感じで今日もそろそろ新聞配りに行く。

具体的な善処の試み云々って最初に書いたけど、どうもうまくいかなかった。
適当に文字にしてみれば、もうちょっと明るい方向に話がすすむと思ったけど。
まあそういう事もある。
善処を試みるには、現状を把握しなきゃならない。
今、これはつまりその現状把握の段階だ。
順序を辿って、段を重ねて、然るべきタイミングで善処に取り組めばいい。
まあ言い訳だけど。
とりあえず新聞配ってくる。
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